2025年12月20日土曜日

蝸牛の歌声

 


岩波現代文庫

歌うカタツムリ
進化とらせんの物語

千葉 聡

2023年7月14日 第1刷発行
株式会社 岩波書店



▲最近読んだ本。2017年に岩波科学ライブラリーの1冊として出版された同名の本に若干修正を加えて文庫化されている。著者の千葉聡教授は世界的に有名なカタツムリの研究者であり、進化生物学者でもある。生物進化という壮大なテーマの研究に小さなカタツムリ達が重要な役割を果たしてきた事など、ほとんどの人は知らないだろう。ハワイマイマイの歌を聴いたギュリック、ポリネシアマイマイ20万匹分のデータを記録したクランプトン、モリマイマイの多様性に疑問を抱いたケインとシェパード。彼らがカタツムリの研究から導き出した進化理論は大勢の学者達を巻き込んで白熱した議論に発展していった。進化を支配しているのは自然選択か遺伝的浮動か、つまり必然か偶然かなんて事は我々素人にとってはどうでもいい些細な事の様に思えるかも知れないが、生涯をかけて本気で真実を追い求めている学者達にとってこの論争は決して蝸牛角上の争いなどではなかったのだろう。進化の歴史や原理を知る事は人類の未来を占う事でもあるのだから。




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